<曲げ木チェア修復の修行(2003年5月17日〜7月26日)>            P1/P2/P3/P4/番外


7月12日
古い塗装の剥離作業が終了し、分解していた椅子をもとの形に組み立て直しました。分解する前に付けていた印を目印に、間違えのないように組み直します。ネジ類も問題なく使用できる状態だったので、そのまま使いました。座面裏から抜き取っていた前脚は、木工用ボンドで接着してからネジを締めました。
曲げ木(ベントウッド)チェアはネジ類を使っているため、使用しているうちにネジが緩んできて多少のガタが生じるそうですが、そういう時は自分でネジを締め直して使うと、椅子も長持ちするそうです。
7月12日
新しい塗装を行います。塗装は着色剤→ニスの順番で行いますが、今日は着色剤の塗装までです。まず、全体に市販のオイルステンを均等に塗りました。ハケでオイルステンを塗り、やわらかい布(今回はガーゼのハンカチを使用)で余分な塗装を落としていきます。剥離作業に比べ、この作業はあっという間に終了しました。塗ってから5分程度置いておけば、乾いてしまいます。写真はちょっとわかりにくいですが、着色済みの状態です。
7月12日
座面です。修復前の椅子は、かなり濃い色で厚く塗装されていましたが、今回は薄く塗装を施しています。木目もくっきりと残り、自然な色に仕上がりました。塗装はまだこれでは終わらず、最後にシェラックのニスで仕上げますが、これは次回の作業になります。
7月26日
シェラックニスで最後の仕上げを行いました。ちなみにシェラックニスとは、インド、タイなどに生育するラックカイガラ虫という虫が分泌する樹脂状物質から作られているそうです。アルコール性なので、お酒などをこぼすと取れてしまうという弱さもあります。既に液状で売っているものと、固形のシェラックを自分でアルコールに溶かして使用するものがあるそうです。刷毛は、リスなどの小動物の柔らかい毛でできているものを使いました。固まらないように、アルコールに浸けて保存するそうです。
7月26日
木目に沿って、できるだけ大きく薄く塗っていきます。5分ぐらいすると乾き始めるので、その状態になったら塗りなおさず、よく乾いてからもう一度塗装します。今回は、全体に2度塗りを行いました。何度も塗り重ねると、艶が増してくるそうです。

修復講座風景

 


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